おうち時間を充実させるアイテムとして数年前から注目を集めているボードゲーム。テレビやYouTube動画で目にする機会も多くなりました。そんな話題のボードゲームはどのように生まれているのか、開発の裏側を探るため、訪れたのは国内最大級のボードゲーム販売専門店を展開し、数多くのゲーム開発や製造流通も行なう総合企業「すごろくや」。代表の丸田康司さんに、ボードゲームの魅力やおすすめのゲームもご紹介していただきます!
※2023年公開記事を再編集しています。
ボードゲーム専門の総合企業「すごろくや」ってどんなところ?
今回お話を伺ったのは、「すごろくや」代表取締役の丸田康司さん。1991年から15年間テレビゲーム開発に携わり、2006年に近代ボードゲームの専門店「すごろくや」を設立。その後、独自のボードゲーム開発や製造・流通・イベントなどを行なう業界大手の総合企業にまで発展させました。

「すごろくやが扱うのは、ひと言で言うと『大人が知的な能力を最大限に発揮しつつ、子どものように楽しめる』ゲーム。1970年代後半のドイツで誕生した近代ボードゲームは、まさにそれを体現したものでした。90年代初頭くらいから日本でも知られるようになってきましたが、それまで日本にはそういったゲームが存在していなかったんですね。たとえば囲碁や将棋は、先読みという知的な能力を使って遊びますが、子どものように楽しんでいるわけじゃない。人生ゲームのようなゲームはありましたが、大人が知的な能力を最大限に発揮して遊ぶゲームではない。それを見事に融合したのが近代ボードゲームだったんです。ドイツから広がったムーブメントですが、ゲームに作者の名前を入れるということに大きな意味があったと思います。ゲームはひとつの作品であるという価値を与えるだけでなく、作者としても粗悪なものがつくれないので、どんどん質が上がっていくんです」
はじめは輸入したゲームに日本語訳を付けて販売していたものが、市場が大きくなるにつれ、日本に合わせたローカライズをして販売するように。現在では海外ゲームのローカライズと、オリジナルゲームの開発をあわせて行っています。
人気ゲームはどうやって生まれているの!?
【海外のゲームをローカライズ〈忍者バナナ〉編】
すごろくや 忍者バナナ 2,970円(税込)
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※一部店舗のみの販売となっております
「〈忍者バナナ〉はビーチフラッグ系のゲームですね。3枚の忍者カードに共通点を見つけ、その共通点を宣言しながらいち早くバナナを掴む。これはもともと、フランスのロベルト・フラガという作者がつくったゲームで、オリジナルは『シュリンプ』というシュリンプカクテルをテーマにしたゲームだったんです」

「シュリンプカクテルがテーマだから、カードの絵柄もエビだし、掴むのはマヨネーズ。でもそれじゃあ日本では魅力がないよねということで、モチーフからつくり直しました。やはり国にあわせてモチーフを変えるのは大事なポイント。ローカライズするときはメーカーや作者と打ち合わせしながら進めていきますが、『忍者にしようと思う』と話したらフラガさんも『いいね!』と乗ってくれて」

〈忍者バナナ〉の遊び方:
場の3ヶ所に次々と重ねられていく忍者カードのイラスト要素をよく見て、3枚に共通する「黒い忍者」「2人忍者」などを察知し、素早く中央のバナナを掴み取ると、それまでに重ねられた3ヶ所のカードをすべて獲得。それを繰り返して獲得枚数を競う。
「色と大きさ、人数と居場所のように、共通点が2つ揃うこともあるので、2つ揃った共通点を宣言できたら、他の人からカードを7枚奪うことができます。3つの共通点を宣言できたらその場で優勝!でも相当難易度が高いので、なかなか達成できないんじゃないかな?」
【クリエイターとの共同開発〈音速飯店〉編】
すごろくや 音速飯店 1,650円(税込)
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「〈音速飯店〉は、クリエイターのSAKURA-GO-ROUNDさんが『ゲームマーケット』というイベントに出品していたゲームをリファインしたもの。基本ルールは生かしながら、何度も試遊を繰り返してカードの内訳を精査したり、メニュー名をアレンジしたり。個人制作ならではのちょっと荒削りな部分をスタンダード化していくイメージです。カードを入れるトレイを、ラーメン鉢風にデザインするのにもこだわりました(笑)。」


〈音速飯店〉の遊び方:
「タン」「メン」「チャー」などが書かれた手札を、中華料理名になる順番で声を発しながらトレイに重ねる。うまく手札をなくせた人は「あがり」で次のステージへ。最後まで手札が残ってしまった人は脱落。最後に勝ち残った人が優勝。
「スピード勝負で中華料理の名前を言っていくというのがおもしろいですよね。もともとのアイデアが素晴らしかったので、開発もスムーズでした」
年末年始にみんなで遊べる、おすすめボードゲーム
ほかにもさまざまなゲームのローカライズや開発を手がけるすごろくや。最後に、年末年始におすすめのボードゲームを紹介していただきました!
ネーミングセンスで盛り上がる〈ナンジャモンジャ〉

すごろくや
左:ナンジャモンジャ シロ 1,540円(税込)
右:ナンジャモンジャ ミドリ 1,540円(税込)
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「〈ナンジャモンジャ〉はロシア生まれのゲーム。きもかわキャラのナンジャモンジャ族に自分の感性で名前をつけるネーミングセンスと、記憶力が問われます。言葉遊びが好きな日本人にすごくマッチしたゲーム。ルールが簡単なので、誰でもできるし、YouTube動画が大流行りしたので少し前の小学生だったら知らない子はいないのでは?家族で盛り上がってほしいゲームです」
〈ナンジャモンジャ〉の遊び方:
山札から1枚ずつカードをめくり、はじめて見るナンジャモンジャには自由な発想でふさわしい名前を付ける。すでに名前が付けられたナンジャモンジャが現れたら、誰でもいいのですばやく名前を言う。早く、正しく言えた人が重ねられたカード束をもらい、集めた枚数が多い人が勝ち。
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ヒリヒリする心理戦が楽しい〈かくれんぼオバケ〉
すごろくや かくれんぼオバケ 1,870円(税込)
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※一部店舗のみの販売となっております
「子どもが遊んでももちろん楽しいですが、相手の性格や考えを読んで心理戦を楽しむものなので、大人がハマるゲーム。もともとドイツのメーカーから発売されていて、絶版になっていたものを復刻させました。遊び方はシンプルですが、プレイヤー同士の駆け引きを楽しむことができますよ」
〈かくれんぼオバケ〉の遊び方:
一人ずつ交代に悪霊役となり、悪霊役は6つの部屋の中から自分が待ち伏せする部屋を選ぶ。他のプレイヤーは、待ち伏せされている部屋に行かないように悪霊の考えを読みながら部屋を移動する。
移動がおわったら待ち伏せしていた部屋を公開。悪霊のいる部屋にいたプレイヤーはチップを悪霊役に渡し、チップがなくなってしまったら負け。残っている人の中で一番多くチップを持っている人が勝者。
お酒を飲みながらチャレンジしたい〈キャプテン・リノ〉
すごろくや キャプテン・リノ 2,200円(税込)
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「これはカードを積み上げながら遊ぶフィジカル系のゲーム。カードの指示に沿ってゲームを進めるので『UNO』的な要素も楽しめます。お子さんとも遊べますし、大人がお酒を飲みながらやっても楽しいかも(笑)」
〈キャプテン・リノ〉の遊び方:
折り曲げたカードを柱として立て、その上に手札から床カードを出して重ねるを繰り返す。床カードには「順番の方向転換を行なう」「連続してもう1枚出せる」といった指示のあるカードもあるのでその指示に従う。バランスを崩さないように積み上げ、いち早く手札をなくした人の勝利。
\その他おすすめの「すごろくや」のゲームはこちら/
犯人カードの所在を推理して最後の持ち主を当てる【すごろくや 犯人は踊る (第三版)】
たった1枚の犯人カードが全員の手札から手札へと秘密裏に巡っていく中で、所在を推理して最後の持ち主を当てるゲームです。ゲーム内容に合った可愛いイラストも魅力的で、子どもから大人まで手軽に遊べます。
おわりに
すごろくやの審美眼で選ばれたボードゲームは、頭を使いながらみんなで盛り上がれるものばかり。ぜひ、家族みんなで過ごす時間や、友だちと集まる機会にお楽しみください!
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