梅田店のオカシューです。
レザークラフトは男女問わず幅広い年齢層から人気があります。
・市販品にはない、自分だけのオリジナルなものをつくることができる。
・革が皮膚に触れる感触を楽しむことができる。
・キーケース、スマホケース、バッグなどのさまざまな作品がつくれる。
・革をカットしたり縫う作業に集中することで、日頃のストレスを解消できる。
・自分でつくった作品を使うと、愛着がわき、達成感も味わえる。
・つくった作品を使い込むことで革の質感の変化を楽しむことができる。
などが人気の理由ではないでしょうか。
「レザークラフトを始めたいんだけど、何が必要なの?」とのご質問をいただくこともよくあります。
今回はそんな方にぴったりな、これからレザークラフトを始める方向けの工具セットをご紹介します。
工具は、最初からたくさん揃えるよりまずは基本的な工具から初めて、徐々に種類を増やしていくのがおすすめです。
工具セットの内容
レザークラフトを始めたい方におすすめの工具セットはこちらです。
左 レザークラフトスターターセット 4mm幅サイズ 8点 3,520円(税込)
右 レザークラフトスターターセット 5mm幅サイズ 8点 3,520円(税込)
2つの違いは「菱目打ち」の幅の違いだけです。
サイフやキーケース等の小型のものを作るには4mm幅を、カバンやベルト等のやや大きめの物を作るには5mm幅がよいと言われますが、厳密には決まりはありません。
革用の工具は初心者用だからといって上達すると使えなくなるものではありません。ずーっと使えます。
高級なものに買い替えるのではなく、種類を増やしたくなる感じです。
セットの中身をご紹介します。
左から
・菱目打ち2本足
・菱目打ち4本足
・目打ち
・ビニ板(ゴム板とも言います)
・お試し用ヌメ革100×150×1mm
・針(2本)
・ロウ引き糸30M
・両面テープ2mm×30M
このほかに、わかりやすい説明書もついています。
この工具セット以外に必要な物
申し訳ないですが、このセット以外に必要な物があります。
「木槌」「カッター」切る時に下に敷く「カッターマット」が必要です。
「木槌」は例えばこんなのがお勧めです。
これで工具を叩いて革に穴をあけます。
「金槌があるので代わりに使えますか?」とのご質問が時々ありますが、金槌は叩いた時の感触が悪すぎて使えません。
「カッター」は革を切るので大きめの物がおすすめです。
「カッターマット」は消耗品でもあるので、これみたいに両面使えると長く使えます。
サイズはレザークラフトならA3位あれば充分です。
OLFA カーターマットA3 両面 1,480円(税込)
いずれも、DIYやクラフトをする方なら持っているかもしれませんね。
セット内の工具について
ではセットのそれぞれの工具について説明します。
・菱目打ち2本足
菱目打ちは縫う為の穴を革にあけていく工具です。先端はこんな感じです。
2本足タイプは縫い目がカーブしている所に使ったり、穴をあける所をに印をつける時にも使います。
菱目打ちで革に穴をあけると、こんな風に斜めに穴があきます。
・菱目打ち4本足
直線部分にどんどん穴をあけていくときに使います。
一番たくさん使うかも知れません。
・ビニ板(ゴム板)
こんな風に上に革を置き、菱目打ちと木槌で穴をあけます。
「ビニ板やゴム板の代わりに木の板を使ってもいいですか?」とのご質問が時々ありますが、木だと叩いた時に跳ね返ってしまってとても使いにくいのでおすすめしません。
・目打ち
特定の用途はありませんが、革にしるしをつけたり穴を1コ開けたり細かいところを押さえたりと何かと役に立ちます。
・針
縫い針と違い、先が丸いです。あらかじめ開けた穴に通していくためです。
革を縫う時は糸の両端に針を付けるので、2本入っています。
革を縫う糸は、ほとんどが「ロウ引き」と呼ばれる、ロウを染み込ませた糸です。
布を縫う時と違い抵抗が強いので滑りを良くするためと、製品を使ったときに擦り切れないように強化する為です。
セットには生成りの色の糸が入っています。糸はさまざまな色が販売されていますので、デザインに応じて選ぶのも楽しみの一つです。
・両面テープ
縫う時は革を2枚重ねて縫うので、穴は2枚重ねてあけます。その時に2枚がずれない様に仮止めしておくテープです。
幅は狭いですが、けっこう強力な両面テープです。
セットに含まれているものについてはこんな感じです。
かんたんなものをつくってみましょう
工具を買うとなんとなく満足してしまう方もおられるかと思います。いわゆる「形から入る」タイプですね(私はこのタイプです)
でもこの工具セットには練習用のヌメ革が入っていますので、試しにこれをつかって穴をあけたり縫ったりしてどんな感じか体験してみましょう。
このヌメ革はオイルを染み込ませたりしていないタイプの、触っているだけで指の湿り気で色が変わるようなデリケートな革です。逆に言うと一番革の変化を楽しめる革とも言えます。
最初は小さな革で簡単な作品をつくってみましょう、いきなり大作に挑むとたいてい失敗してダメージが大きいです。
今回つくったハサミケースは付属のヌメ革でもつくれるサイズですが、せっかくなので工具をお買い上げの際に小さいサイズの革や端材セットで良いので革の材料も買っていただくことをおすすめします。
型紙~カットと穴あけ
本格的な作品作りには、このような専門書などに入っている型紙を使います。
グラフィック社 ヌメ革クラフトハンドブック 2,530円(税込)
型紙付きレザークラフト入門書
最初はあまり気負わず、何となく適当につくってみるのがおすすめです。
今回は適当に、ハサミに紙をまいてハサミケースの型紙をつくってみます。
つくった型紙を革に写します。本来はこの「銀ペン」をつかいます。
銀ペンは革に書いて後で消せるボールペンです。消すときは消しゴムや革製品用クリーナーを使います。消さなくても作品ができあがったときにはだいたい見えなくなっていますが。
今回はそんなに精密な型紙ではないので、工具セットに含まれている目打ちでひっかいて型を写します。
真っすぐなところは定規を使いましょう。
型を写したらカッターで切ります。一回で切った方が切り口がきれいなので、なるべくカッターの先を折って切れ味をよくしてから切りましょう。
下にカッターマットを敷くのをお忘れなく。
菱目打ちで穴をあけていくところに線を入れます。
専用の工具もあるのですが、2本足の菱目打ちでやる方がやりやすいと思います。
こんな感じで片方を革のへりに引っかけてガイドにして、もう一方で革にキズを付けていきます。
2枚まとめて穴をあけるので、両面テープで仮止めします。
菱目打ち4本を垂直に立てて、まっすぐに木槌で強く打ちます。
ビニ板の上で作業をしてください(写真ではゴム板を使っています)
これくらいしっかり先が見えるくらいまで穴をあけましょう。でないと縫う時に針が通りにくいです。
端っこで穴のピッチがうまく合わない時は、目打ちで1個穴をあけます。
仮止めの両面テープはそのままでかまいません。これで穴あけは完了です。
糸に針を付ける~縫って完成
針と糸の準備です。糸の長さは縫う場所の長さの3~4倍です。この糸の両端に針を付けます。
針に糸を付ける方法は手芸の糸とはずいぶん違います。まず針の穴に糸を通してこれくらい伸ばします。
針の先で糸を突き刺します。こんな感じです。
その後きゅーっとひっぱって、
最終的にこんな感じにします。同じ要領で糸の両端に針を付けます。
糸の準備ができたら端から順番に縫っていきます。一目縫うごとに両端をきゅっと引っ張るのがポイントです。
工具セットの中の説明書にどのように針を進めていくかが書いてあります。
同じ穴に表と裏から互い違いに針を刺していくのですが、必ず表から先に刺すようにしましょう。そうしないと縫い目がきれいにそろいません。
縫い目をきれいにするためには慣れが必要ですが、慣れてくると縫い目がそろってきて仕上がりがよくなって気持ちよく縫えるようになります。
縫い終わりの処理です。2目戻し縫いをします。その分2目分は糸が2重になり、補強にもなります。
もう1目戻して3目の穴に針先を入れ、反対側ではなく内側に針先を出します。革一枚だけ針を通すことになります。
内側から糸が2本出たら、カットして一回結んでおきます。ピンボケですいません。
糸を短く切って接着剤(なんでもいいです)を少しだけ目打ちの先に付けて糸を押し込むようにしてくっつけます。
完成です!ハサミがピッタリ入りました!型紙を適当につくったのにサイズピッタリでうれしいです。
もっと深く知りたい
今回はこれで完成です。
革の感触を楽しみながら、私と革との特別な時間を過ごすことができました。
革を切って縫うだけでもできる作品は色々あります。
でも、革の世界を知ってしまうと、もっと深く楽しみたくなりますよ。
例えばこのハサミケースならベルトを追加して、◎の所にスナップを付けて開け閉めできるようにしたくなってきます。
その為にはまた別の金物と取り付ける工具が必要です。
そのあたりはまた次の機会にご紹介しますのでお楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございます。
レザークラフトに興味のある方のお役に立てれば幸いです。
みなさまのご来店を心よりお待ちいたしております。
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